蘇生の階段

2013 展示

斜面に沿って配された美ら寿は、東へ西へと連なる室が内外連続 する階段によって緩やかに繋がれている。初めて訪れたとき、心休まる静謐な空間に魅了されると同時に、10年以上使われない間に生命感が失われていることを感じた。
この空間にいま一度、風が通り、人が集い、現代の枠組みで維持されるなら、建築は生き生きした空間として蘇るだろう。この作品は、美ら寿という建築の記録と修復、その行為を通した人の空間への参加、というプロセスの実践により蘇生への第一歩を表現している。
まず、展示スペースである内外の階段まわりを実測・作図し、つぎに油墨を用いて立体物の凹凸を転写する拓本技術を用い、外部階段のあり様を和紙に写し採った。その後、崩れて歩行困難だった外部階段の既存レンガを削り、モルタルの施工により修復した。そしてこの夏、このプロセスの実践するため2度に渡って10名の学生がここに集った。内部階段に吊られたかつての様子を写す拓本を眼で、修復された外部階段を身体で感じる、蘇生プロセスの階段である。

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設計:KONNO
製作:日本工業大学 有志学生
イべント:中之条ビエンンナーレ2013 建築館
会場:旧老人健康村「美ら寿」 群馬県吾妻郡中之条町上沢渡3641
会期:9月13日~10月14日 土日・祝日のみ
材料:拓本(油墨、和紙、障子糊) 修復階段(レンガ、モルタル)
施工期間:2013.08. 〜 09.

写真(001,004~006):Ryoma Suzuki